三角関数を暗算して道具無しで目標物までの距離を求める方法
こんにちは。かえるです。先日、こんな記事を書きました。
今回はこれの続きとして、三角関数を暗算で近似して目標までの距離を求める方法について取り扱います。道具無しで角度を測る方法も書くので、これを覚えておけば何もなくても距離を求めることができるようになります。
それではどうぞ!
三角関数の近似
理論
まずは肝心の三角関数の近似ですが、
sin x = x - x^3/3! + x^5/5! …
cos x = 1 - x^2/2! + x^4/4! …
という公式があるので、これを使います。(角度はラジアン)
3乗以降の項は計算が大変なので、かなり大雑把ですが
sin x = x
cos x = 1- x^2/2!
とします。
これでも工夫することで誤差を0.05ほどに抑えることができます。
そこで使うのが、
sin x = cos (π/2 - x)
cos x = sin (π/2 - x)
という公式です。xが大きくなるほど誤差が大きくなるので、これで変換してxをできるだけ小さくします。cosの近似のほうが正確なのでsinは π/6 (30°)、cosは π/3 (60°)を超えたら変換すると誤差を最小限に保てます。
ちなみにtanは
tan x = sin x / cos x
を使います。
度からラジアンに変換するときはπ/180 (0.0175)をかけましょう。
実演
試しにtan 14°を計算してみましょう。
まず14°をラジアンに変換します。
0.0175 × 14 = 0.0175 × 2 × 7 = 0.035 × 7 = 0.245
これでtan 0.245、つまりsin 0.245 / cos 0.245を計算すればいいことがわかります。
近似式より、
sin 0.245 ≒ 0.245
cos 0.245 ≒ 1 - ( 0.245^2 / 2! ) = 1 - ( 0.245^2 / 2 )
0.245^2を仮に245^2とすると、
245^2 = (200 + 45)^2 = 200^2 + 2×200×45 + 45^2
= 40000 + 18000 + 2025 = 60025 ≒ 60000
位を合わせて0.06 つまり
cos 0.245 ≒ 1 - ( 0.06/2 ) = 1 - 0.03 = 0.97
tan 0.245 ≒ 0.245/0.97 ≒ 0.245 × 1.03
仮に245 × 103として
245 × 103 = 24500 + 245×3 = 24500 + 735 = 25235
位を合わせて0.25235
よって、tan 14° ≒ 0.25235だと求まりました。
実際に計算すると0.2493で誤差0.03で、比較的小さいことがわかります。
手で角度を測る
次は道具を使わずに目標までの角度を測る方法です。
イメージはこんな感じです。
ここでbは測定する人の目の高さです。
この図からも分かる通り計算にはtanの逆数が必要になるのでtan xを求めるときにcos x/sin xを求めてもいいかもしれません。
そしてθの角度をどうやって測るかですが、調べていると天体観測のときに使う方法を見つけました。
どうやら拳を握って前に突き出すと拳の大きさがだいたい10°になるというものがあるらしく、自分で握って計算してみたところ8.5°くらいでした。なので僕の場合は親指の先を人差し指の上に乗せてアーチを作ると10°くらいになりました。
ちなみに指一本は約2°になるようです。(自分の場合は1.85°でした)
これを使って、拳の上端を目と水平にすることによって下端が10°となり、測ることができます。
距離を計算する
それではいよいよ距離を計算していきます。
今回は測定して14°だったと仮定します。
上の式よりsin 14° ≒ 0.245 cos 14° ≒ 0.97なので、tanの逆数を出すために
0.97/0.245 ≒ 1 × 4 = 4
測定する人の目の高さを1.6mとすると、
1.6 × 4 = 6.4
よって目標物までの距離はだいたい6.4mであることが求まりました。
実際に計算すると6.417mで、それなりに正確なことがわかります。
まとめ
ということで、今回は三角関数の暗算と手で角度を測る方法について紹介しました。
三角関数の暗算は電卓でもない限り無理かと思っていましたが意外と暗算でもそれなりに近似できることがわかりました。
手の角度測定についてはもしかしたら2つの目印から自分の現在地を特定するなんてこともできるかもしれません。
今回の記事が面白かったり役に立ったと思った方はぜひまたこのブログを見に来てください。
それでは、よい暗算ライフを!